レモン
俊司は上手い事車を交わし、
どんな不安定な道でもビクともせず、
一定のスピードで走り続けていた。
そんなバイクに乗るのも慣れていた私でさえ、
何度も振り落とされそうになった。
少しすると見たことない道に出た。
角を曲がった時、
私達の真ん前に古びたビルが現れた。
だけど、彼はバイクのスピードを落とさない。
余計にスピードが上がっている様にも感じた。
(・・・・・・当たる!!)
そう思って目をぎゅっと瞑った時、
キ、キキィーとゆう音を立て、
次にドンッ!!とゆう音がしてバイクが止まった・・・。
ゆっくり目を開けるとバイクの前輪とビルがピッタリくっついていた。
寸止め・・・ってゆうか少し当たってる・・・。
心臓がすごい勢いでバクバクしてる。
ビックリして動けずに居ると、
彼がバイクを降りて私の方を向いた。
顔を上げ俊司の事を見た・・・。
私は死ぬかと思って泣きそうなのに、
俊司はいつもと変わらない落ち着いた顔をしていた。
そして落ち着いたトーンでこう言った。
「俺は・・・小柄の生きてる意味になんないのかよ・・・。」