レモン
「こんな夜中にごめんね。」
彼はうつむいた顔を上げて少し笑って言った、
「俊司さんに頼られるのは嬉しいんで大丈夫です。
こんな事初めてだったから余計に。
少しは気を許してくれてるのかなぁ~なんて思ったりしてます。」
本当に俊司の事を好きなんだと思った。
「そうゆうふうに思ってくれている人が居て、私も心強いな。」
俊司には本当に気を許せる友達みたいな人が居なかったから、
健の存在は私にとっても、大きいものだった。
「健、お腹空いてない?」
いきなりの質問に少しビックリした顔をしていたが即答で、
「いつでもペコペコですよ!!」
と、にっこり笑って答えてくれたので、
「よぉ~うしっ!!小柄様が作ってあげよう!!」
せめてものお礼に夜食をご馳走する事にした。
「あっ!!でも食材とか何にもないんですけど・・・。」
と冷蔵庫を開けて見せてくれた。
中にはビールとお茶くらいしか見えなかった・・・。
パタン・・・と扉を閉めて私は溜息混じりに言った、
「コンビニ行くよ・・・。」
俊司を残し2人で近くのコンビニまで買い物に行った。