レモン
学校から行く方が俊司の家まで近い。
1時間もかからないくらいだろう。
地下鉄を降りてバスを待つ・・・。
初めて乗った時はとても居心地が悪かったこのバスも、
いつのまにか気持ちの良い乗り物に変わっていた。
お金を入れて降りるとそこには必ず俊司が居た。
片手にペットボトルを持ち、屈託のない笑顔で・・・。
手を繋いで家までの道を歩く。
ゆっくり、ゆっくり話しをしながら。
何て落ち着く時間だろう。