レモン

「それに小柄の母ちゃん達にも会っておきたいし。
あと、今日渡したい物があるんだ・・・。」


親に会いたいと聞いてすごくびっくりした。


「何々?プレゼントなんてらしくないじゃん。」


私は嬉しさを隠すように少しちゃかすように言った。


「じゃあ、これが最初で最後かもな。
とりあえず行くからちゃんと家で待ってろよ。」

「・・・うん。」


すごく嬉しかった。
今の電話の全部がすごく嬉しかった・・・。



親には俊司の事は話してなかったから、
いきなり会わせて驚かそうと思い言わなかった。

服を選びながら何度もさっきの言葉を思い出しては、
1人にやけながら鏡に向かって、俊司の真似をしていた。



昨日とは別人の様なテンションで選んだ服に着替え、
部屋に飾られた俊司の写真に向かって、


「プレゼントってなんだと思う?」


と話しかけたりしていた。





「でも私はね、俊司に会える事が一番嬉しいんだよ・・・。」
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