レモン

俊司はズボンのポケットに小さな箱と一枚の紙を無造作に入れ、
バイクのキーを取り部屋を出た・・・。


「ちょっと行ってくる。」


そう両親に残しバイクにまたがった・・・。




私は自分の部屋で俊司を待つなんて初めての事だったので、
家の中を行ったり来たりしてとても落ち着きがなかった。



その時窓から風が吹き部屋には写真が散乱した。


・・・。


風で剥れるようにはなっていなかったから、
少し嫌な予感がしたけれど、
また考えすぎだと思って深くは気にしなかった。



写真を元の場所に張り直し、俊司との事を思い出していた。






ふと目に入った時計はすでに1時を過ぎていた・・・。

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