レモン
私は次のバス停でバスを降りた。
いつもなら俊司が待っていてくれるこの場所に、
今は1人で立っている。
そして俊司の家までの道を1人で歩き出した。
俊司の家までは堤防沿いを歩いていく。
そこには犬の散歩をしている人や、
ランニングをしている人、
小学生や中学生が良く通っていた。
この日も多くの人が通っていた。
私は何度も俊司にメールを送りながら歩いていたので、
前を見ていなかった。
携帯の画面を見ていたら前から男の人が近づく気配がした。
その男性とすれ違う時俊司の匂いがし、
さっと後ろを振り返ったが全くの別人だった・・・。
そんな事が何度もあったが、全て別人で俊司には会えなかった。
そして電話も繋がらず、メールの返事もなかった。
私は俊司の家に急いだ・・・。