レモン
いつもより早く俊司の家に着いた私は、
そこで少し違和感を感じていた。
いつも停めてある場所にバイクも車もなかった。
そして家には鍵が掛かっており物音1つしなかったのだ。
庭に行き中を覗いても人影は無く、家はからっぽだった。
俊司のお姉さんや親にも電話をしてみたが、
誰とも連絡が取れなかったので、
仕方なく健に電話をして聞いてみる事にした。
「俊司先輩なら結構前に来ましたけど、もう出られましたよ。
小柄さんの家に行くって言ってましたけど・・・。」
健は他に何か言いたそうだったけど、
私はお礼を言いすぐに切ってしまった。
そして健の言った事を信じまた自分の家に戻る事にした。
帰りに乗ったバスからは、
来る時に見た事故現場はいつものように整備された道路だった・・・。