レモン
眠れなくて小柄はお茶を取りに行こうと、
健の隣にいった時缶のお茶を持った手が見えた。
「お茶飲むかと思って。」
そう言って健は部屋に入り勉強机の椅子に座った。
私はドアを閉めベットに座り、
健が開けておいてくれた缶を手に持った。
「汗すごいね・・・。」
健がタオルで私の額をそっと拭いた。
「うなされてたけど、大丈夫・・・。」
ブラインドを開き明かりを入れた。
健はまた椅子に座りお茶を一口飲み、
こっちを向いた。
健の目は前見た時よりも力強く感じた。
「もう・・・1人で大丈夫だよ・・・。」
私は健に嘘をついた・・・。
だが、健は呆れたように鼻で笑った。
「無理しなくて良いよ。
もう1年も経つのに、まだ夢みるんでしょ?」
健には全てお見通しのようだ。
「それに、俺は俊司さんの遺言を守ってるだけだし。
ってこれも、もう何十回もいったか・・・。」
そう笑って私の隣に腰を下ろした。
俊司よりも少し大きい健の方が、
さらに華奢なった小柄の肩と並んだ。
そしてそっと話し出した・・・。