レモン

1週間後、俊司の家族は行ってしまった。

家は売り払い、
まるで俊司から逃げるようにして。

辛い気持ちは十分に分かっていたので、
健も小柄も何も言えなかった。


行き場を失った小柄は途方にくれていた。

自分の家に帰っても、
きっと普通の生活には戻れないだろう。

かといって、健の家に誘うのはどうか・・・。

そう健が迷っていたら、


「私、家に帰るよ。」


そう小柄に言われてしまった。


「でも・・・。」


健が心配そうな声を出した。


「でも、やっぱり1人は不安。
だから、もし良かったら家に来てくれないかな。
健が良かったらだよ。」


小柄の提案に健は迷わず乗った。


そして、2人は荷物を持って小柄の家に帰ったのだった。


小柄の親が初めて会った時、
健の事を彼氏だと思っていたので、

(その方が何かと良いんじゃないか。)

とゆう2人の考えで、
小柄の家では2人は付き合って居る事になった。


健の人柄の良さからか、
両親ともすぐに打ち解けていった・・・。

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