レモン

6月20日。


いつもの様にバスを待ってる。


でもこの日は雨が強く運悪くバスも出たばかり、
1時間も外で待っていられる状態じゃなかったから、
近くのファーストフード店に入る事にした。


飲み物だけ貰い席に着く。
少しだけ寝ようと思い、顔を伏せた。


携帯のハイブが鳴り目を覚ました。


ちょうどバスが来るところだったので、急いで店を後にする。


いつもの席に腰を下ろすと、いつものように走り出した。
この角を曲がれば俊司の待つ場所まですぐだ!!


って所でバスがすごい音を出して横転した。
目の前が真っ暗になった・・・・・。




「・・・痛い!!」




目を開いたらそこはさっき入ったファーストフード店だった。
そして目の前には俊司が座っていた。


「小柄が遅いから見に来たんだよ。そしたらこんな所にいんの。
しかもすやすや寝やがって!!俺も眠いんだけど。」

あれから2時間近く経ってしまっていたのだった。


「携帯鳴らしたのに出もしないし。」


(あっ!!さっきのバイブ!!)
ふと思い携帯を見たら俊司からの着信が並んでいた。


「ごめん・・・。」

「良いよ。心配した変わりにデコピン何発もしといたから。」


・・・・・。




それからその店で2人で少し食べ、バスで家に向かいました・・・・・。






後から聞いたんですが、あの時実は探し回ってたんじゃなくて、
後輩が私を見つけて電話してくれていたみたい。








「たまには迎えに行ってあげて下さいよ。」って・・・・・。
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