レモン
第五章
Koe no koe.....
今年の夏は例年以上に暑くなるそうだ。
私の大好きな海に行くには、
ピッタリの季節になりそう。
夏の半分は海に行っている気がするが、
健は今年も付き合ってくれるだろうか。
健は優しいから連れて行ってくれる・・・。
でも、私はその優しさが少し怖い。
思ってること全部言って欲しいのに、
未だに少し気を使っている気がするの。
去年の夏も、
私が俊司の地元に立てなくて、
それでも文句一つ言わず付いてきた。
それどころか、
私が寝ている間に海に連れて行ってくれた。
あの日の海は世界で一番綺麗だったよ。
あの海が視界に広がった時は、
泣きそうになったけど、
これ以上泣いてちゃダメだと思って我慢した。
だから、元気だそうとはしゃいだの。
健はそれに乗ってきてくれた。
健はいつも私の側に来てくれた。
私はそれにずっと甘えてきたね・・・。