藍色レインデイ
「ところで茜、こんな時間に傘もささずに何しているんだい。」
いきなり呼び捨て。でもやっぱり嫌な気はしない。本当に梅雨はすごいと思うわ。
「雨が降っているから。」
私はそれだけ行ってクルリと反転して空を見上げる。雨は大分小雨になっていて、霧吹きのように辺りを湿らせる。
「……雨が好きなの?」
反対を向いてるから見えないけど、きっと彼は微妙な顔をしているわ。
ああ、変わった子だって。だってみんなそう言うんだもん。いい加減聞きあきたわ。
「ええ、そうよ。」
私は友達は多い方だけど、本当の友達は親友の真奈美一人だけ。
あとは、みんな笑顔で下らない話をするだけの人。まぁ要するに暇潰しの為に付き合っているだけ。
優しい言葉で偽善を振り撒いて、顔だけくニコニコして、面白可笑しく話をすれば、「よろしく」「メアド教えて」って言ってそしてメールを送ればお友達になる儀式は終了。
ほんとに簡単に友達は手にはいるようになってるのね、って毎回思うわ。