藍色レインデイ

「それより、家に帰らないのかい。僕で良ければ送っていくよ。」

あ、聞かれたくなかったみたい。聞かなくて良かった。

「そうね。そろそろ帰らないと明日も大学あるし。お願いするわ。」

「了解。」

そういうと彼は傘を持ち直し、さりげなくエスコートしてくれる。じぇんとるまんな人だなぁと思う。

隣を歩く彼を盗み見れば、整った顔立ちに長いまつ毛、背も高いしきっと女の子にモテモテなんだろう、と思い私らしくないと考えを無理やり停止させる。

「茜って雨が降ったら毎日あんなことしてるのかい。」

「そうよ。だって梅雨の雨って、優しくて悪いこと全て流してくれそうじゃない。」

「へぇ。そんなこと考えたこともなかったな。
僕にとって雨さ悪いことを流してくれるものじゃなくて悪夢の象徴だからね。」

「悪夢の象徴…って何があったの?


………ぁ」


ヤバい。
つい言ってしまった。

さっき聞いて欲しくない感じだったのに…。


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