5人の王子と1人の少女
━…龍真Side…━
カツカツカツ
階段を降りる音が辺りに響く。
ふぅ…
うすうす気付いていたけど莉緒ちゃんは柊が好きみたいやな。
柊も罪作りな奴や。
好きになった女はみんな俺を選ばない。
ま、
莉緒ちゃんが笑っていればそれでいいか。
俺も雪斗みたいにパパーっと言っときゃよかったわ。
莉緒ちゃん、
俺が手を引くんやから絶対笑っててな。
ガチャ
「太陽が眩しいわ…」
龍真は空に向かって手を伸ばし、
「俺には太陽は掴めないか」
そういって寮の中に消えた。