5人の王子と1人の少女
男たちは誰かを探しているようだった。
「俺…
アイツにひでえことしちまった…」
顔は見えないが、かすかに聞き取れる。
「どういうことだよ?」
もう1人の男が問い掛けた。
「俺さ、莉緒が好きだ……キス………たんだよ」
遠ざかっていて所々聞こえなかったが、確かに聞こえた自分の名前。
悲しそうな声だったのは、蓮だった。
泣き出して部屋を飛び出した莉緒を心配して探しに来たのだ。
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