5人の王子と1人の少女
「あー。ちょっと、な」
困ったように髪をいじりながら柊は私を見る。
「お前こそ、どこ行ってたんだよ」
『さ、散歩?』
語尾に疑問符がついているような言い方になってしまった。
柊は目を細めて私を見た後、目の前で止まると手を伸ばしてきた。
柊は顔をグッと近付けて来た。
そして私のまぶたに触れると、
「お前…
泣いた?」
目、赤いよ?
そう言って私と目線を同じにして覗き込む。
メニュー