5人の王子と1人の少女
冬
季節は冬。
息が白く、雪が降るんじゃないかって思うくらい空はどんよりと暗い。
『はぁ…………』
莉緒は豪華な扉の前で、今日何度目かという溜息をついていた。
柊にキスをされたあの日、消毒と言ってキスをした柊はフリーズしている莉緒を置いて部屋に戻って行った。
それからちょうど休みが入り一安心したものの、莉緒は夜な夜な悩み寝不足気味だった。
なんで私にキスしたのよ…
私のことなんとも思ってないくせに…