5人の王子と1人の少女
それからしばらく、冬くんは私の膝の上で柊のことを話していた。
もう夕方だ。
雪斗達は散歩に行くと言って部屋を出ていった。
「でね、お兄ちゃんは…」
と、いつまでも続く冬くんの話。
本当に柊が大好きみたい。
「ふわーあ」
「どうした?眠くなったか?」
眠そうな目をこすって欠伸をする冬くん。
柊は冬くんを抱き抱えようとしたが、冬くんは寝ながら私の服を掴んでいた。
「悪いな。冬の面倒を見てもらっちまって。」
柊は私の隣に腰を下ろした。
『ううん。私、兄弟がいなかったからなんか弟ができたみたいで嬉しい。』