5人の王子と1人の少女
フンッとそっぽを向いて拗ねていると、頭に感じる温もり。
「んなに拗ねるなよ」
隣に座っていた高藤圭司が私の頭に手を乗せていた。
一瞬高鳴った胸。
意外に優しい彼のギャップに心臓が持たない。
「ちょっと!
莉緒ちゃんに触らないでくれる?」
声が聞こえたかと思うと一瞬にして抱きよせられた。
いきなりのことにびっくりしてると、
「おい、雪斗。
そこら辺にしとけ。
そいつテンパってっから」
前に座っていた西城蓮に声をかけられて、また高鳴る鼓動。
『だ、大丈夫!』
私はそう言うことしかできなかった。