5人の王子と1人の少女



小さい声で、でもはっきりとそう聞こえた。


「せっかく付き合えたのに何も買ってくれやしない
ただのつまんない男だったよ?
蓮は」


見下したような笑い方。
さっきまでの反省の色はない。


ああ。
そうか。
夕陽は俺が好きなんじゃなかった。
俺の金が好きだったんだ。


「ああそうかよ。
もうお前に用はねえ
うせろ」


悔しかった。
俺は本気だったのに。


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