ココロノオト
中学生に上がった頃、また一段と生活が変わった。
「心音っ!一緒学校行こう!」
入学式の朝、大介が久しぶりに話しかけてきた。
そう言われ、二人で一緒に歩いて登校した。
隣で歩く大介を見て私は泣き出してしまう。
もう我慢できないよ・・・
「・・・!心音、どうしたっ!?」
驚いている大介。だって、いきなり泣いちゃったもんね。
「なんか嫌な事でもあった?」
「あるよ!大介はずるい!ずるいよ!一人だけ綺麗なスクールバックに綺麗な制服着てて!ずるい!」
私の前に立っていた大介を突き飛ばして、走って学校へ行った。
だって・・・大介は新しいスクールバックと制服。
なのに私はどこから貰ってきたか分からないお古のバックと制服。