ココロノオト

「はいっ!」

私の前に、ビニール袋が出されて、大介が私の口元を押さえている。


「ゆっくり・・・心音落ち着いて・・・」
大介がずっとそばで声を掛けてくれて、背中をさすってくれて、時間と共に、呼吸もできるようになってきた。


「そう。もう大丈夫だよ。よく頑張った・・・。」
そう言いながら、大介が私を抱きしめていた。

「ゴメンな?今の、聞こえちゃったんだよな?こんなに苦しくなるくらい、ちゃんと考えてる心音は偉いよ。心音は悪くないんだから、責任なんて感じなくていい。」
< 48 / 72 >

この作品をシェア

pagetop