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第一章 まんが研究会
 私が大学一年の時からこの物語は始まる・・・

 一年生の時大学にはまんが研究会は無かった。しかたなく私はアニメ研究会に入ってみ

た。まんがとアニメは似たようなジャンルである。しかし、入会はしたものの実際には、

その違いばかりが実感さればかりであった。そして私と同じように、アニメ研をまん研の

代用と思って入っていた中山という同級生と話し合い、私たちは密かにアニメ研とは別に

まんが研究会を発足させようと画策し始めた。

 まず、アニメ研の会員に打診したが殆どよい返事はなかった。なぜならアニメ研のメン

バーの大部分が単なるアニメ・ミーハーでおおよそ自分で作品を描こう等という事は思い

もしない奴ばかりであった。結局、私たち二人以外にはメンバーは見当たらないままであ

る。

そのままの状態から夏休みとなりコミケットの季節を迎えた。高校生の時からこのイ

ヴェントが好きであった。コスプレの方は別にして各校の会誌を読めるのはこのコミケッ

トが何と言っても最高の機会である。

しかし例の腐女子たちのホモ趣味には辟易していた。

彼女たちのような存在は実に昔から存在していた。いわゆるおこげと呼ばれるモノであ

った・・・

 さらにおこげや腐女子にもてようとホモのふりをする愚かな奴まで現れるから始末に悪

い。いたちごっこ的展開を彼らは繰り広げているのであった。

 おまけに商業誌までが彼らに受けようとそういったホモまんがを掲載するようになった

から泥沼である。この情況は多かれ少なかれどこかに潜在的に存在するものであり思春期

から同性愛的感情を排除しようとすることには本質的に難しいのであろう。

 さて私と中山は市内の他の大学のまん研とコネを作り、会の運営や会報の編集などの実

務的な事を教わり一通りの計画を立てた。

 とりあえず会の発足は年度始めにし、その時にビラをサークル会館あたりでまく事にし

た。

 実際ビラをまくと効果はてき面であった。問い合わせが携帯に頻繁にかかってきて、い

かに待望されたサークルであるかが実感でき、私たちは手応えを感じていた。 



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