【短】俺の冷やかお姫様。
「ねぇねぇ湊ってばー!」
ケバ女の一人の声で、
ハッと我に返る。
「だから、彼女いるから無理って言ってんじゃん」
いっつもいっつもそう言って追い払ってるんだけど……
今日は、何故かしぶとかった。
「彼女はいいから、食べようっ?」
「ね、お願いっ!」
そう言って2人は前に乗り出してくる。
……いつもはここらへんで引くのに。
中々教室を出て行かないので、不覚にも苛立ってきてしまった。
「だから、俺には夢が……」
「だって!」
そんな俺の言葉を、遮った衝撃の一言。
「だって、片平さんに了解ちゃんととったもん!」
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