【短】俺の冷やかお姫様。



はっきり言ってわかるはずもないし、



むしろわかんなくて困ってたのに。




俺ならわかってるって、思ってたのか?



夢の気持ちを?





本当……可愛いやつ。






「じゃあ今度、変な女達が俺と弁当食べていいか聞いてきたら、その時は断ってよね」



俺の推理では、そういうこと。



夢本当は嫌なんだよね?




でもそうやって言うと夢は、



「私には、あの人たちを止める権利ないし」



そう返してきた。



普通彼女だからあるだろ!?



とか思ったけど。



いつも冷たくて、いつも口悪い夢。



それでも、こんなところでお人よしになって、可愛い顔してるのを見たら。



悩んでたのが、馬鹿馬鹿しく思えた。




俺が夢のことわかってなかっただけか、ってね。




「ねー夢、やっぱり今週遊ぼっ!てか、デートしよ!」



「だから嫌って言ってんじゃん」



「いや、そこをなんとか!」



「……考えとく」




そう言って夢は教室に戻って行った。



珍しいこともあるもんだ




あの夢が、自分の意見を変えるなんてさ!




今週が楽しみだなっ!




そう思い、夢に続いて授業中の教室へ戻った。








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