【短】俺の冷やかお姫様。



本当何なんだろうこの子は。




こんなこと言って……男が我慢出来ると思う?



俺、夢のために抑えてたんだよ?




少し離れてた夢を、またさっきより強く抱きしめる。



「……そんなことで、もしかしてずっと悩んでた?」


腕の中の夢は、黙ったまま。




「それって俺が夢のこと襲ってもいいってこと?」



「は!?」




夢がいいって言うまでとか、



理性持つまでとか、



考えてた俺って何なの?



つくづく俺って、夢に振り回されっぱなしじゃん?




「そ、そういうことじゃない!」


「へー?違うんだ?」


「違う!」




真っ赤な夢を見るのは初めてかも。


こんな夢見ていじめたくなる俺って……実はS?





「……夢」


「なによっ」


「目……閉じて」





一瞬びくっとしてたけど、夢はゆっくり目を閉じた。


そっと唇を重ねる。





ドキドキで、甘い甘い時間。





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