【短】俺の冷やかお姫様。
「俺が浮気とか、有り得ませんから」
夢を離して、顔を見て言う。
「疑うとか酷くね?」
「別に、疑ってたわけじゃない」
また少し赤くなって、それでもまだ俺を睨む。
「ただ……ちょっと不安になっただけだもん」
一瞬、夢じゃないかと思った。
だって普段ならこんな素直なことないぞ!?
少し頬を膨らませ、そっぽを向いた夢。
……こんな可愛い夢見れるなら、我慢なんかしなきゃよかったよな。
俺の苦労は一体なんだったんでしょーか?
本当……笑える。
「何笑ってんの」
夢が不思議そうに俺を見る。
「ん? 夢可愛いなーと思って?♪」
「は?何それっ」
そう言って夢は俺の腕をすり抜け、元のテレビの前へ戻って行った。
……やっぱり可愛くないかも。
なんて一瞬思ったのは、笑ってる夢を見て撤回。
もうちょっとしたかったなーなんて思うのは、男として当たり前だよね?
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