HONEY&TRAP!!
そして、今――――
「あっ、カイトだ。バイバイ」
「バイバイ、イオリちゃん」
俺は彼女に向かって軽く手を振った。
笑顔で俺の前を通り過ぎて行く。
きっとアイツの元へ行くんだろう。
結局、アイツらはお互いの気持ちが通じ合ってるのに気付かずに
ずっとすれ違ったままだったんだ。
はぁ。アホらし…
何となくは解ってはいたけどさ?
文化祭であった事件をキッカケに
あの二人はまた一緒に歩き出した。
もう、離れる事はないだろう。
要するに
俺は「失恋」したって訳で。
まぁ、初めから望みは無かったんだろうけど。
なのに俺は笑ってた。
だって
今君は
笑ってるから。
あの日の祈りは確かに
俺の秘めた想いと共に
空に届いたんだから。