HONEY&TRAP!!
会議を終え、
夕日が広がる空を見ながら俺は一人帰る道を歩く。
遠くから聞こえるのは運動部の練習してる声。
段々と沈んで行く太陽と妙に合っていて。
それを何故だか物悲しい気分で見ている自分がおかしかった。
なに黄昏れてんだよ…
その時、
目の前を横切る人の姿。
―――!?!?
その瞬間、俺は叫んでいた。
「イオリちゃん!!」
「カ…イト…」
目の前の彼女は泣いていた。
……彼女が泣く理由なんてただ一つ。
拭う事もせずただ涙を流していたその姿に
俺は彼女を引き寄せずにはいられなかった。
なぁ
もう止めろよ。
もういいだろ。
もう
そんな辛い想いなんて
捨てろよ。
俺は彼女を自分の胸に押し付けた。
「泣いていいよ」
涙と一緒に
流れてしまえばいい……