ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『ありがとうございます』

敬大はベッドの上にギターケースを置き、中を開けた。

『君はミュージシャンをめざしているのか?』

リョータは敬大に尋ねた。

敬大はギターの弦に挟んであるピックを手に取った。

『小さい頃に見たギタリストに憧れてミュージシャンを目指してた時期もあったけど、今は誰かのために歌いたいって思うくらいかな。このピックがその時のギタリストに貰ったピックなんです』

敬大はリョータにピックを見せた。

『これって…』

敬大の持っていたピックを見てリョータは驚きを隠せなかった。

『調度そのギタリストもリョータさんみたいに黒いハットを被っていたんですよね…』

敬大のその言葉に耳を傾けながら、リョータはピックをじっと見つめていた。

『リョータ…さん!?』

『えっ?』

『どうかしたんですか?じっとピックを見てますが…』

敬大はリョータを少し心配した。


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