ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『ちょっと刺されただけなんだから、そんなに心配しなくて大丈夫だよ。相変わらず楓は昔から、心配性なとこは変わってないよな』

敬大はそう言って笑った。

『でも良かった、敬大が無事で…』

楓は優しく笑いかけた。

『なあ…楓。覚えてるか、このピック?』

敬大はそう言って、楓にピックを見せた。

『まだ持ってたんだこのピック。黒いハットを被ったおじさんがくれたんだよね』

『ああ…俺たち二人がずっと一緒にいられる事を願った、お守りとして…』

敬大はピックを見つめた。

『敬大!?』

楓は黙り込む敬大を心配した。

『このお守りのお陰で、俺たちはずっと幼なじみとして一緒にいられたんだもんな』

敬大はそう言って、楓に笑いかけた。

『敬大…』

楓がそう呟くと同時に、楓の携帯のアラームが鳴った。

『あっ、バイト行かなくちゃ…敬大、もうあんまり心配かけないでよ』

楓はそう言って、病室を出ようとした。


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