ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『俺は先生たちから状況を問いただされ、頭が真っ白で震えてた。先生たちは不良だった友也さんがやったんだろって決め付けて…俺まで自分の罪から逃げるために、友也さんを犯人して…そしたら友也さんが…“俺が殴りました”って…。そのまま友也さんは警察に連行され、少年院に…。どうしてあの日、否定しなかったんですか?』

拓也は友也の目を真剣に見つめ尋ねた。

『拓也…お前ずっと俺に罪をきせた事気にしてたのか?バカだな』

『友也さんは何もしていないのに…』

『俺はさ、いつもお前が真っ暗になったグランドで必死に一人で白球を追いかけてた事を知ってる…』

『えっ?』

『お前の夢ってプロ野球選手だったし、頑張って追いかけてるお前の大切な夢を、あんな事で終わらせて欲しくなかったんだよ。だから俺は喜んでお前の代わりに罪を被ったんだよ…。まあ今までの俺がしてきた色んな悪事をついでに償う良い機会になったしな』

友也はニコッて笑いながら言った。


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