ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『友也さん…。でも俺は…俺は…』

拓也の目には涙がたまっていた。

『あー!!もう、良いだろ。過去の事は気にすんなって!!逆に俺は少年院に入った事によって、敬大っていう大切なダチに巡り逢えたんだし、そういった意味じゃ良かったって思ってる。拓也…お前プロからスカウトが来てるんだってな。大学生No.1投手になったんだもんな…当然だよな、スゲーよお前。頑張ってたお前をちゃんと神様は見てたんだな』

友也は拓也に優しく微笑んだ。

『友也さん…』

『プロに行っても頑張れよ拓也』

友也はそう言って、椅子から立ち上がった。

『友也さん…本当にすみませんでした、あなたに罪をきせて…ずっとずっとあなたを捜して、謝るのがこんなに遅くなってしまって…本当にすみませんでした』

拓也はまた友也に頭を下げた。

『拓也、お前のプロ初勝利のウイニングボール…それで許してやるよ。だからさ、プロで頑張れよ』

拓也は満面の笑みを浮かべ、面談室を出て行った。


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