ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『悪いねぇ、蓮くん』

お婆さんはニコッと笑った。

『いいえ、お年寄りの方が一人で車椅子を漕ぐのは大変ですからね』

蓮はお婆さんの車椅子を押し、エレベーターに乗り込んで3階で降りた。

『確かお婆さんの病室は…303号室でしたね!?』

蓮は周りをキョロキョロ見回しながら、病室の番号を確認した。

そして蓮は病室のドアを開け、お婆さんと一緒に中に入った。

『ありがとな蓮くん』

お婆さんは満面の笑みを浮かべてお礼を言った。

『いいえ、またいつでも言ってくださいね。車椅子くらいいつでも押しますから』

『本当にこの病院に来て良かったわい。蓮くんも親切だし、蓮くんのお父さんの院長先生も親切だし…本当に感謝してるよ』

お婆さんはそう言って頭を下げた。

『いえいえ…病院に来た事自体は喜んじゃダメなんですけどね』

蓮はそう言って笑った。

『本当じゃな』

お婆さんも笑みを浮かべた。

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