ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『そうです…』

蓮は軽くうなずいた。

『そうか、でも軽傷で良かったな』

『はい…』

『今夜は家でご飯食べるんだろ?』

『そうですね…』

『そうか、じゃあお手伝いさんに蓮の分の夕食も伝えておくよ』

院長は笑顔でそう言って、蓮の前から立ち去った。

蓮はそんな去って行く院長の背中をじーっと見つめていたが、こぶしをぎゅっと握りしめて歩き出した。

『ふぅ〜…病食って薄口だよな、本当に』

敬大は昼食を食べ終え、ベッドに寝転びながら一息ついた。

『失礼しまーす』

そう言って、ナースの桐丘レイが病室に入って来た。

『もう食べ終わりましたか?下げますね』

レイは食器を配膳台の上に乗せた。

『あら、敬大君ってギターやるの?』

レイはベッドの傍に置かれているギターに気付いた。

『はい。昔からやってるんですよ』

敬大は笑顔で答えた。

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