ミュージック･ラブ３〜愛を奏でるメイフラワー〜

『蓮…あいつにもそんな過去があったのか…』

敬大は蓮の過去を知り、同情を抱いた。

『じゃあ、失礼しまーす』

桐丘レイは配膳台を押しながら、病室を出て行った。

しばらくすると、蓮が敬大の病室に戻って来た。

『はあ〜、腹ふくれたら眠くなって来たよ』

蓮はあくびをしながら椅子に座った。

『なあ、蓮。さっきのナースさんと蓮は姉弟なんだってな』

敬大がそう口を開くと、蓮は驚いた表情を見せた。

『ああ、…聞いたのか？』

蓮は少し重い口調で言った。

『蓮が本当の桐丘総合病院の息子じゃない事も聞いた』

『そっか、驚いた？』

『驚くに決まってるだろ!!蓮の両親、幼い頃に亡くなったって聞いたのも驚いたしさ』

敬大は真剣な表情を見せた。

『ああ、オヤジは俺が生まれて間もなく事故で…母親は…』

蓮はそこまで言って黙り込んだ。