ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『母親は病気なんだってな…』

敬大がそう言うと蓮の表情が一瞬険しくなった。

『病気か…病気は病気でも治る病気だった。母親は死ぬ必要なんてなかったんだ…』

蓮は目を閉じ、母親の事を思い出していた。

『治る病気だったって!?』

敬大はひっかかったその言葉の真意を尋ねた。

『母はさ…医療ミスで死んじゃったんだよ。違う薬を間違って投与されて…それで…』

蓮のその言葉に敬大は言葉をなくした。

『その時、その母に間違った薬を投与したのが…この病院の院長だよ』

蓮の表情は憎悪に満ちていた。

『い、院長が!?』

敬大は驚いた。

『アイツは俺の母親を殺したんだよ。なのに、アイツらは医療ミスだって事を隠して、母親は病気が悪化して死んだ事にされたんだよ』

蓮は両手のこぶしを握りしめた。

『誰もアイツを裁かないから、俺が弁護士になってアイツ裁いてやるんだ』

蓮の目は凍り付く程に冷たかった。

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