ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『医療ミスはいつだってウヤムヤのまま片付けられている…だから俺が…』

蓮は唇を噛み締めた。

『蓮…お前はどうして院長の養子になったんだ?』

『アイツは俺が医療ミスで死なせた母親の息子だって知らない。だから、アイツの金を利用して俺は大学に行き…そしてアイツが育てたこの俺がアイツを裁いてやるんだよ。そして、アイツの築いたこの地位を崩壊さしてやるのさ!!アイツも、飼い犬に尻尾を噛まれることになるとも知らないでよ』

蓮は不敵な笑みを浮かべた。

『蓮…お前…』

敬大は蓮の心に秘めた憎悪に驚いた。

『俺が弁護士になろうとしてる理由は…法の力でアイツをどん底に突き落とす、そのためだけさ』

『蓮…』

敬大は蓮を食い入るように見つめ、呟いた。

そして蓮は突然重苦しくなった空気を取り払うかのように、急に笑顔を見せた。

『なーんてな…冗談だよ。そんな過去の事いつまでも根に持っちゃいないよ』

蓮はそう言って、病室をさっさと出て行った。

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