ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『な、何を?』

蓮は戸惑いながら尋ねた。

『院長先生があの時の医療ミスを、どんだけ苦しんでいたかをさ』

敬大のその言葉を聞いた蓮は黙り込んだ。

『あ、ヤベー!!そろそろ俺病院戻らなきゃ!!…なあ蓮、お前は昔の蓮と違って寂しい目をしていない。それは仮の親子だとしても、院長先生の親としての思いにお前が気付いたからだろ?俺や友也と違って蓮には帰りを待っててくれる人が、家族がいるんだ。許す許さないかは蓮次第だけど…単に恨んでるだけじゃなくて、今の蓮にとって大切な家族と腹割って話してみなよ…じゃあな』

敬大はそう言ってさっさとゲーセンを後にした。

『な、何だよ敬大の奴…』

蓮はしばらく近くの椅子に座って、いろいろと考え込んだ。

『蓮!!』

蓮が声をする方を見ると、息を切らし汗だくになっている院長がいた。

蓮はそんな院長の姿に驚いた。

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