ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『親友のためなら誰だってバカになれるんだよ』

敬大はそう言って笑みを浮かべた。

『もう…本当にバカなんだから…』

楓は涙を拭って、敬大の右腕を持った。

『こんなとこでへばってたら、誰かに救急車呼ばれちゃうよ』

そして楓は敬大を支えながら、近くの森林公園に向かった。

この森林公園の中央には一本の大きな桜の木が植えられていて、その桜の木の周りには木はなく芝生だけがあった。

二人はその桜の木の下に座った。

『敬大…本当に大丈夫?』

『ああ…大丈夫だよ。すまなかったな楓、心臓の弱いお前に支えて貰ってさ』

敬大は痛みを堪えながら笑いかけた。

『ううん、これくらい大丈夫だよ』

楓はそう言って、上を見上げた。

『今が秋じゃなくて春なら、この木には桜の花びらがたくさん着いてたのにね』

『ああ…』

敬大も上をそっと見上げた。


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