ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『うん…もうちょっと…』

敬大はそう言って、ただじっとステージを見つめていた。

『じゃあ、あたしちょっとトイレ行ってくるね』

そう言ってレミは席から立ち上がり、敬大一人を残し会場を出て行った。

レミが出て行った後も敬大は、考え込みながらステージを見つめていた。

『まだいたのか』

そんな敬大の背後から声が聞こえた。

敬大が振り返ると、そこにはリョータが歩み寄って来ていた。

『リョータさん』

敬大はリョータが現れたことに驚いていた。

リョータは敬大の隣の椅子にそっと腰をおろした。

『ライブに来てくれてありがとう敬大君。俺のライブどうだった?』

『カ、カッコヨカッタです。すげーカッコヨカッタです。リョータさん、ステージ上ですげー楽しそうで、すげー眩しくて…羨ましかったです』

敬大は素直に感想を伝えた。

『そうか、そんな風に映ってたか。ありがとう』

リョータは優しく微笑んだ。


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