ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
すると行き交う人々が足を止め、次第に敬大に注目し始めた。

敬大はギターを弾く事、そして歌う事に集中し緊張を抑えた。

敬大が一曲歌い終わると、数人の傍観者たちは拍手を贈り、また歩き出した。

敬大はそれに対し、少し恥ずかしくなって照れた。

すると一人の帽子をかぶり、夜なのにサングラスをかけている女性が敬大に歩み寄って来た。

『さすが敬大君だね』

女性は敬大に声をかけた。

『えっ?誰?』

敬大は戸惑いながら尋ねた。

『あたしだよ。あたし』

女性は周りには見えないように、そっとサングラスを外した。

『よ、祥乃!!』

敬大はその女性が橘祥乃だと言う事に驚いた。

『シー!!ちょ、ちょっと大声で名前呼ばないで』

祥乃は小声で言った。

『あ、ごめん。つい…。でも俺の歌聴いてくれたんだ、ありがとう』

敬大は笑顔で言った。


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