ミュージック･ラブ３〜愛を奏でるメイフラワー〜

数あるバンドが参加しているこのｺﾝﾃｽﾄ。

ソロのミュージシャンはほんの少ししかいなかった。

そんな一人でいる敬大に一人の背の高い黒い長髪の男が声をかけてきた。

『よっ、兄ちゃん。ここにいるって事は、あんたもｺﾝﾃｽﾄに参加するんやな』

その男は関西弁で気さくに話しかけた。

『そうですよ。あなたのライバルですね』

敬大はそう言って笑った。

『あははっ、俺のライバルか…そやな、兄ちゃんの実力しらへんけど、俺のライバルになれるならかなりのもんやで』

男は自信満々で言った。

『負けませんよ。優勝は俺がしますから』

敬大も自信を胸に言った。

『宣誓布告か…兄ちゃんおもろいやん。名前なんて言うんや？』

長髪の男は敬大に尋ねた。

『敬大…瑞輝敬大です』

『敬大か…。俺は誠治“ｾｰｼﾞ”。お互いガンバろな』

誠治はそう言って敬大の右手を右手で掴み、強引に握手を交わし去って行った。