ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『それに俺は何度もこういう大きな大会に参加してるし、慣れてんねん』

誠治は軽く自慢げに言った。

『何度も参加してるんですか?』

『そやで、でも何度も参加してる=一度も優勝してないって事やから、恥ずかしい話なんやけどな。だから32歳になったこの歳でも頑張ってんねん』

誠治は笑って言った。

『そうなんですか…やっぱ優勝って難しいんですね』

敬大は少し自信をなくした。

『俺な、地元じゃ結構有名でなかなか名前も売れてたんやけど、審査員の人が言うには俺の歌には足りない物があるらしいんや。それが俺にはまだ何かわからんから、1度も優勝できへんのやと思うんや』

『足りない物?』

敬大は聞き返した。

『ああ…なんなんやろな一体。あっ!!次俺の出番や!!敬大、ほな先行ってくるわ』

誠治はそう言ってギターを担ぎ、ステージへと向かって行った。

『誠治さんの次は俺だし、俺もステージの袖まで行くかな』

敬大はステージの袖へと向かった。

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