ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
敬大はステージの袖から誠治の姿を見届けた。

誠治はギターを片手に緊張の色を見せずに、堂々とステージの中央へと歩んだ。

そしてステージ下で椅子に座って見つめる7人の審査員に向かって、愛想よく笑顔でお辞儀をした。

そして誠治はスタンドからマイクを取り、客席に目を向けた。

『みんなー、注目!!今だけは俺のステージやしおもいっきり楽しんでなー』

誠治は客席に向かって大声で叫び、笑顔で手を振った。

『時間がないので早く曲を始めて下さい』

手を振っている誠治に進行係が注意した。

『あ、すみません』

誠治は進行係に恥ずかしそうに謝った。

そんな誠治の姿に客席から笑いが起こった。

『えーっ、じゃあ気を取り直して歌聴いてやー“yesterday again”』

誠治がそう言って、ギターの弦を弾いた瞬間、誠治の目つきや雰囲気がガラリと変わった。


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