ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
誠治は華麗な指使いで華麗なギターさばきを見せた。

楽天的でヘラヘラした感じの誠治の姿はそこにはなく、眩しい光を放ちおもいっきり輝いているワイルドな誠治の姿があった。

誠治のほとばしる鮮烈な歌声とギターサウンドがコンテスト会場を包み込んだ。

『せ、誠治さん…』

ステージの袖から誠治の姿を見つめていた敬大は、その誠治の姿に見とれていた。

客席も、さっきまでとは違い豹変した誠治のそんな姿に見とれていた。

そして誠治の歌が終わると同時に、客席から盛大な拍手が贈られた。

『みんな…おおきにー!!』

さっまでの誠治の姿はなく、また楽天的な誠治の姿に戻り、右手の人差し指を高らかにあげ笑顔を見せた。

『ほんまおおきにー』

誠治はステージ上から大声で客席に手を振った。

『次の方が控えていますので、早くステージを降りて下さい』

進行係がまた誠治を注意した。


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