ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『ど、どうしたよのよ大声なんか出して?』

レミが尋ねると、敬大はレミの肩に手をあて声を荒げた。

『どうして二人を止めなかったんだよ!!』

『えっ?どうしてって言われても…』

レミは困った様子で答えた。

『楓は…楓は心臓が弱いんだぞ!!』

『あ、そうだったね…。でも、自分でわかってるんだから、乗らないでしょ?』

『だと良いけど…』

レミの言葉をよそに敬大は落ち着きなく楓を心配していた。

すると急に周りが騒々しくなり始め、係員たちがせわしなくなった。

『何かあったのかな…』

レミは駆け回る係員を見ていた。

『楓…』

敬大は席を立ち上がった。

『どうしたの敬大!?』

レミは突然立ち上がった敬大を心配した。

敬大はいてもたってもいられなくなり、返答もせずにその場を去り、全速力で疾風の乗り場に走った。

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