ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
今まで18年間生きてきた中で、俺にとって今日の雨が1番冷たくて…

寂しくて…重くて…

心に染みていった。

校門に停められたパトカーまで、後50mほど…。

ざわつく校舎…騒ぎ立てるクラスメイト…青ざめる教師たち…

誰もが俺に注目していた。

パトカーまで後30m…。

校舎の外ではいつの間にか、やじ馬が集まっているのが見えた。

パトカーまで後20m…。

高校…俺の居場所が今一つ消え去ろうとしていた。

楽しかった俺の高校生活…バイバイ。

パトカーまで後10m…。

俺の名前を必死に呼ぶ声がする…

この涙声は…幼なじみの“月姫 楓”だ。

もう楓の声はかすれている…

楓…元気でな。

そして俺はパトカーに押し込まれた。

俺を乗せたパトカーは、騒がしい校舎ややじ馬を背に、ただ赤いランプをひからし、サイレンを鳴らしながら走り去った。

ただ悲しみの雨だけを残して…。

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