ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
敬大は黙り込んでいた。

『敬大、言いたくないんやったら別に言わんでもええけど…でも一人で抱え込むのはアカンで』

誠治はそう言って敬大の肩を軽く叩いた。

すると敬大は静かに口を開いた。

『清凜総合病院って…知っていますよね?』

『清凜総合病院?もち、知ってるで。けど、それがどうしたんや?』

誠治は不思議そうな顔をした。

『その病院に俺の母親が入院してるです』

『何?ホンマか?』

誠治は驚いた。

『何か末期のガンらしくて、先ももう長くないらしいです』

敬大は俯いた。

『ホンマか?そりゃー大変やんけ!!早くオカンに会いに行ったらな!!』

誠治は驚きながら言った。

『けど俺は…今は母親には会う気にはなれないんです』

敬大はそう言って唇を噛み締めた。

『何でや?オカンが大変な時に会う気になれへんって…何かあったんか?』

誠治は元気のない敬大の横顔を見た。


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