ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
誠治はスタジオのカギを開け、敬大を連れて中に入った。

『誠治さん、一体何をするつもりですか?』

敬大は不思議そうな顔をして尋ねた。

『まあまあ、ええからええから』

誠治はそう言って、スピーカーをセットしギターをアンプにつないだ。

『ようし!!』

誠治はエレキギターを掻き鳴らした。

『うーん、シビれるな』

誠治は気持ち良さそうだった。

『よし、敬大。歌え!!』

誠治は笑顔で言った。

『えっ…歌えって?何を?』

敬大は驚きながら尋ねた。

『お前の今の思いを叫べばええねん』

『俺の思いを?』

『そうや。こんな風にな』

誠治はそう言って、エレキギターを掻き鳴らしながらマイクに向かって叫んだ。

『どうなってんねんこの世の中!!不透明すぎて何を信じたらええかわからんねん!!』

『誠治さん…』

敬大は度肝を抜かれて驚いていた。


< 203 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop